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バイエルン国立歌劇場【セヴィリアの理髪師】

2010. . 18
Bayerische Staatsoper
G. Rossini “Il Barbiere di Siviglia”

2010.3.13 Sat. 19:00

Il Conte Almaviva・・・・・Javier Camarena
Rosina・・・・・・・・・・・Silvia Tro Santafé
Figaro・・・・・・・・・・・Nikolay Borchev
Don Bartolo・・・・・・・・・Renato Girolami
Don Basilio・・・・・・・・・Anatoli Kotscherga
Fiorello・・・・・・・・・・Christian Rieger
Berta・・・・・・・・・・・・Lana Kos

Inszenierung・・・・・・・・・Feruccio Soleri
Musikalische Leitung・・・・・・Christopher Ward


まだ冬休み中に見たオペラの事を全て書いてはいませんが、先週末ミュンヘンに行ってきたのでそのことを先に書きます。全然時系列順ではないですが、ご了承ください。

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今回は週末に2日連続で「セヴィリア」と「フィガロ」が上演されるというので、夜行電車に乗ってわざわざミュンヘンまで足を運んだ。実はこの2作品を続けて見るというのは長年の(そんなに長くないけど)ささやかな夢だった。理想は同じプロダクションチームの制作なんだけど、今回は全く違うみたい。それでも構わない。理想はこれからも追い続けます。

この劇場は昨年末「ラ・ボエーム」を見に来たが、その時とは違いすぎる席に座った。「ボエーム」は3階下手側の舞台に一番近い、特等席のような席だったが(開演前に「チケット求む」を持って立って譲ってもらった€70)、今回は€11,50の最上階の席。今回はちゃんとオンラインで予約して行ったが、そのおかげでどんな席かは行ってみてからのお楽しみ。いざ劇場についてみて席に着いてみると、舞台が全く見えない!!それもそのはず、これはスコアリーディング席だったんだ。最上階の立ち見のさらに後ろの、椅子がある席。暗くなっても手元が見えるようにちゃんと読書灯のようなものが付いている。

最初の方は身を乗り出して頑張って見ようとあがいてたけど、いくら頑張ってもせいぜい舞台の上部の字幕が見えるのが関の山だったので、途中から諦めて座って目を閉じて音楽だけに集中した。オペラを見に来て目を閉じて音楽だけ聴いているというのは何とも不思議な、変な、損したような贅沢なような複雑な心境になった。同じ列には数人聴衆がいたけど、みんな持参したスコアを読んでいるか、目を閉じて音楽に集中していた。地元の人ならこれでいいけど、ヴェネツィアからわざわざ来てこれじゃ報われない・・・と心の中でブー垂れていたら前の列の立ち見席のおばちゃんが「こっちこいよ」と言ってくれた。お陰で途中からは視界のいい立ち見席で問題なく舞台を見ることができた。外国人だと得する例の一つかな。

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控え目で上品なシャンデリア

さて、公演自体は有名歌手もいないしさして期待はしていなかったけど案外良かった。ベテランと若手が混然一体となってフレッシュな舞台を作り上げていた。それぞれの役に年相応の(少なくともそう見える)歌手を配置しているのがいい。

ロジーナを歌ったスペインのメゾ、トロ・サンタフェは1月、チューリヒの「チェネレントラ」で一度聴いている。バルツァを彷彿とさせる声と、充分なテクニックを兼ね備えた注目の若手だと思う。今回の「セヴィリア」は前回の「チェネレントラ」よりソロの見せ場が多い。”Una voce poco fa”のカデンツァも見事だった。原曲の形がなくなるぐらいまでいじっていたが、元々歌手の技術ご披露のところなのでこれが正しいのかな、なんて思う。レチタティーヴォなどで少し音程が不安定になるのが気になるなど、少し荒削りなところはある。これから洗練されてさらに技術が磨かれればかなりいい歌手になるのではないか、と個人的に踏んでいる。

アルマヴィーヴァ伯爵は予定されていたAlek Sharderからカマレーナに変更されていた。彼はメキシコ出身で2004年にデビューしたという若手テナー。ロッシーニのオペラは何回も見ているが、案外満足できるテナーに当たることが非常に少ない。声質が悪かったり、技術不足だったり。しかしカマレーナは美声も技術も両方兼ね備えていて久々に満足できるアルマヴィーヴァだった。それにしてもどうしてテナーには中南米が多いんでしょうか。アルヴァ、アライザ、ヴァルガス、フローレス・・・。

カマレーナの声はまさに正統派といった感じで、フローレスやシラグーザのような強烈な個性はないけど安心して聞いていられる美声と安定感が素晴らしい。演技もなかなかで、2幕のアロンゾに変装する場面では舌足らずの喋り方をしてかわいかった。今考えてみるとスペイン風の発音をしていたのかもしれない。

ボルシェフは細身でスマートなフィガロだった。声質は柔らかく温かく、ガツンとくる感じではなかったが早口も整然と歌っていた。男らしさよりは知性を感じさせるフィガロ。ただその声の柔らかさから、たまにオケに埋もれてしまうこともあった。惜しい!

バルトロのジローラミはカリアリ歌劇場の「ボエーム」のマルチェッロ、ナクソス「ドン・ジョヴァンニ」のレポレッロのディスクで聴いたことはあったが実演は初めて。録音を聴くと結構荒削りなバリトンといった印象だったが、歳をとって丸くなったか、今回のバルトロは軽めの声ながら荒削りではなかった。早口もいい。裏声が得意らしく、しばしば見事な裏声で会場を沸かせた。

バジーリオのコチェルガは大ヴェテラン。テナーは中南米、バスは旧ソ連、東欧。彼もウクライナ出身。他の歌手とは比べ物にならない巨大な声で劇場を震わせたが、指揮をよく見ないのか、アリアでもオケとずれまくってもったいなかった。

ベルタのコス、フィオレッロのリーガーら脇役もしっかりしている。特にリーガーはこの役にしておくにはもったいないほどよく聴かせる歌手。幕が開いてすぐ、ハッとさせられた。

指揮のWardは若手のよう。譜面にかぶりついてキチキチっとした指揮をする。経験不足か、アンサンブルを上手くまとめられない節も見受けられた。それでもオケは透き通った音色で素晴らしい演奏を聴かせていたが。

演出はオーソドックス中のオーソドックス。ポネルの舞台装置を思わせるセヴィリアに実際ある白壁の家。再演を重ねているのか、結構使いこまれた装置のようだった。歌手たちの演技もしっかりしていたので安心して楽しめる舞台になっていた。再演になると演技が希薄になるプロダクションもあるが、これは違う。登場人物がいきいきと描写されていて、笑いどころも押さえている。

アンサンブルの乱れ、オケと歌手のズレなどでハラハラさせられることも多かったが、主役3人の若手が生き生きとして音楽的にも満足できたので、すっきりした気持ちで劇場を後にできた。イタリア語のオペラを見た直後に、周りの人がドイツ語をしゃべっていると一気に現実に引き戻される気がする。それを言ったら日本では、劇中の言語と喋る言語が一致しないのはいつもの事だが。

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終演後、すぐに舞台のバラしをしていた
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お久しぶり。

いま黄昏1幕終わりの休憩中です。すごくいいよ。

イタリア、ドイツも羨ましいけど、リング・ヴォツェックなどなど今シーズン東京にいないのは結構もったいないね。
2010.03.24 18:26
コーノス
エッティンガーですか!今シーズンの東京は今までにないぐらい挑戦的なプログラムばっかでいいですね・・・。ヴォツェックすごく見たかった・・

2010.03.24 21:11

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